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mina perhonen

Report
服の森に埋もれる
兵庫県立美術館で開催されていたミナペルホネンの展覧会、「つづく」展に足を運びました。ミナペルホネンとは、皆川明さんが1995年に設立された、おもに女性服を展開するブランドです。恥ずかしながら、このブランドの存在を今まで知らなかったのですが、インスタで壁一面に服が飾ってある写真を見て「行ってみたい!」と思い訪れてみたのでした。

まず入り口では、壁一面に飾られた、さまざまな柄のテキスタイルが出迎えてくれます。これからの展示に胸を膨らませながら中へと足を進めました。
入り口を入ってすぐ現れたのは、一面の黄色い空間。ここではミナペルホネンのなかでも有名なタンバリン柄についての展示がおこなわれていました。タンバリン柄とは、ドットでできた円が敷き詰められた柄。一見無機質にも見えますが、ドット部分は一つひとつ手描きで描かれているため、あたたかみも感じられます。2000年にこの柄が制作されてから483種類の作品がつくられたということで、その人気が伺えますね。ここでは洋服やカバンだけではなく、食器やぬいぐるみ、椅子などのインテリアが展示されており、ミナペルホネンの作品の幅の広さを感じました。

その次は「森」というタイトルのスペースが。部屋の四面に壁一面に、洋服が飾られています。その数はなんと400着。インスタでもこの光景は既に見たことがあったのですが、実際に見てみるとより迫力を感じました。自分の身長のずっと上、天井まで洋服が飾られている様子は圧巻です。色、形、素材・・・一つひとつ個性的な作品ばかりで、いつまでも眺めてられるなぁという感覚になりました。人が少なかったこともあり、思わず長居してしまいました。

「森」を惜しみつつも次へと足を進めると、次はテキスタイルのデザイン原画が飾られたコーナーに出ました。紙にデザインが手書きが描かれていたり、印刷する際の指示の書き込みがあったり・・・。普段ならなかなか見ることのできない制作の過程を知ることができ、とてもおもしろかったです。なかでも私が気に入ったのは「run run run」という柄。こちらは青いウサギが一方向に向かって走っている柄です。私の好きなブルー×ウサギの組み合わせに心を撃ち抜かれました。時々出てくる、ピンクのフラフープをつけたウサギがまたかわいらしいです。

次のブースでは、建築家の中村 好文さんと皆川さんがコラボレーションしてつくられた宿、「シェルハウス」という展示も。布をはじめとした洋服やインテリアだけではなく宿までつくってしまわれるとは驚きでした。

さらに進んでいくと、洋服とその持ち主のエピソードが展示されたコーナーも。どんな思いで洋服を購入し、どんなところへ着て行ってどんな思い出をつくったのかを知ることができました。憧れのワンピースを買いたくて貯金し、購入したあと10年以上ずっと大切に着続けいる方、子どもの入学式に着ていった方・・・。それぞれの服に一人一人のドラマがあって、こんなに大切に使い続けたくなるようなものをつくれるってとても素敵だなと思いました。そして、服というのは持ち主とともに人生を歩むんだなと感じました。

今までミナペルホネンをよく知らなかった私ですが、展示会を通して皆川さんの作品や、考え方に触れることができ、ファンになりました。最後にはお土産コーナーがあったので、マステのお土産をゲット。トートバッグやハンカチなどのお土産もありましたが私にはちょっと高くて断念(泣)。いつか、とっておきのときに大切な一枚を迎えたいなあと思ったのでした。



■ミナペルホネン「つづく」展公式サイト

■「よりよい日々を」
こちらは、東京都現代美術館で開催された「つづく」展のレポートです。

■「心躍る、女子旅。」
同じ兵庫県内にある美術館では、姫路市立美術館が気になっています。この「心躍る、女子旅。」というサイトで以前にチームラボの展覧会がおこなわれていたと知り、次はぜひ足を運ぼうと思っています。
PHOTO
▲「run」。鮮やかなブルーとかわいらしいウサギのシルエットが素敵です。
▲生地のパッチワーク。さまざまな柄があるため、見ていてとても楽しいです。
▲美術館の裏に展示されていた「青いリンゴ」。安藤 忠雄さんの作品だそう。